OSPF(シングルエリア)の設定方法・設定確認方法を紹介【Junos, Juniper】

本記事ではJunosでの「OSPFの有効化設定(シングルエリア設定)」についてご紹介させて頂きます。


解決者

この記事は以下のような方にオススメです!
・ JunosのOSPF シングルエリアの設定方法を知りたい方
・ JunosのOSPF シングルエリアに関するshowコマンド・その結果を確認したい方

OSPF(シングルエリア) 検証内容


まず最初に設定要件とネットワーク構成をご紹介します。

設定要件

本検証では以下の要件に基づきOSPFの設定を実装します。

▼ 設定要件 ▼
  • Router-idは明示的に設定する事
  • R1ではLo0及びge-0/0/0をバックボーンエリア(エリア0)に所属させる事
  • R2ではge-0/0/0をバックボーンエリア(エリア0)に所属させる事
  • OSPFの各種パケットを通信する必要がないR1のLo0はPassiveインターフェースにする事

OSPF(シングルエリア) 事前確認


検証前時点の各機器の設定内容やログは以下の通りです。

【事前確認】R1設定確認

R1にて以下の通り、IPアドレスは設定済です。

Configは以下の通りです。

【事前確認】R2設定確認

R2にて以下の通り、IPアドレスは設定済です。

Configは以下の通りです。

OSPF(シングルエリア) 設定変更作業


それでは、OSPF(シングルエリア)の設定をしてきましょう!


設定は以下の手順に沿って、実施します。

  1. Router-idを設定する
  2. R1にてLo0及びge-0/0/0をエリア0に設定する
  3. R3にてge-0/0/0をエリア0に設定する
  4. R1のLo0をPassiveインターフェースにする



それでは、上記1〜4の順でコマンド含めてご紹介します。

手順① Router-idを設定する

OSPF Router-idの設定は「set routing-options router-id コマンド」で設定可能です。


Configは以下の通りです。

R1 Router-id設定

R2 Router-id設定

手順② R1にてLo0及びge-0/0/0をエリア0に設定する

JunosでのOSPF エリアの設定は「set protocols ospf area コマンド」で設定可能です。
ではR1にて、エリア0の設定を追加してみましょう!


Configは以下の通りです。

手順③ R3にてge-0/0/0をエリア0に設定する

それでは同じようにR2でも、OSPF(シングルエリア)の設定を追加してみましょう!


Configは以下の通りです。

※ 本件ではR2のLo0はOSPFに含めておりません。

手順④ R1のLo0をPassiveインターフェースにする

Passiveインターフェースの設定は「passiveコマンド」にて設定可能です!


Configは以下の通りです。

上記設定後、「commit」すれば、設定完了です。


ここまでで、OSPF(シングルエリア)の設定作業は完了です。

OSPF(シングルエリア) 正常性確認


それでは、要件通り設定変更がされているか、確認してみましょう。


本検証は以下を確認します。

  1. OSPFインターフェースの確認
  2. OSPFネイバーの確認
  3. ルーティングテーブルの確認
  4. OSPFデータベースの確認
  5. R2からR1のOSPFルート(1.1.1.1/32)へPingが通る事



では、上記1〜5の順でshowコマンドの出力結果含めてご紹介します。

正常性確認① OSPFインターフェースの確認

OSPFインターフェースを確認したい場合は「show ospf interface コマンド」で確認できます。


それでは、各機器の結果を見てみましょう!

R1 show ospf interface の出力結果

以下の通り、「ge-0/0/0」「lo0」がOSPF(エリア0)に含まれている点が、確認できますね!

R2 show ospf interface の出力結果

以下の通り、「ge-0/0/0」がOSPF(エリア0)に含まれている点が、確認できますね!

正常性確認② OSPFネイバーの確認

OSPFインターフェースを確認したい場合は「show ospf neighbor コマンド」で確認できます。

R1 show ospf neighbor の出力結果

以下の通り、対向機器(R2)のインターフェース ge-0/0/0(192.168.12.2)と正常にOSPFネイバーが確立できますね!


R2 show ospf neighbor の出力結果

以下の通り、対向機器(R1)のインターフェース ge-0/0/0(192.168.12.1)と正常にOSPFネイバーが確立できますね!

正常性確認③ ルーティングテーブル 反映確認

ルーティングテーブル(OSPFルートの経路のみ)を確認したい場合は「show route protocol ospf コマンド」で確認できます。


ルーティングテーブルの出力結果は以下の通りです。
1.1.1.1/32が反映されている点が確認できますね。

正常性確認④ OSPFデータベース 反映確認

JunosでのOSPFデータベースを確認したい場合は「show ospf database router コマンド」で確認できます。

R1 show ospf database routerの出力結果

以下の通り、OSPFデータベース内にてLSA type1「1.1.1.1」「2.2.2.2」が含まれていますね。

R2 show ospf database routerの出力結果

R1も同様で、OSPFデータベース内にてLSA type1「1.1.1.1」「2.2.2.2」が含まれていますね。

【参考】OSPF Type1の情報の詳細を確認(show ospf database router lsa-id x.x.x.x detail)

OSPFデータベースの特定のLSAを確認したい場合は「show ospf database router lsa-id x.x.x.x detail コマンド」で確認できます。


x.x.x.x にはLSA-IDが入ります。



Cisco機器における、OSPF LSA Type1の詳細を確認したい方は、以下の記事をご確認下さい。

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>>参考記事: LSA Type 1とは? 基礎〜LSDBの中身の確認方法を解説

正常性確認⑤ Ping試験

最後に「R2からR1のLo0へPingが通る事」を確認しましょう!


各ルータのPingの出力結果は以下の通りです。

R2 Pingの出力結果

以下の通り、「1.1.1.1」に対して問題なくPing疎通が取れている点が、確認できますね!



実業務でよく利用するJunosの各種コマンドについては、以下の記事で纏めております。
ご興味のある方はご覧ください!

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>>参考記事: 業務で役立つshow、clear、requestコマンドを紹介!

また、OSPF(マルチエリアの設定)に関する検証結果を確認されたい方は、以下の記事で纏めております。
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>>参考記事: OSPF(マルチエリア)の設定方法・設定確認方法を紹介

Junosの勉強方法


では最後に「Junosの勉強方法」について紹介いたします。


Juniper機器は通信プロバイダーなどのミッションクリティカルが環境で多く導入されております。


その為、Junosを勉強すると、大規模なネットワークへ関わるチャンスが増えます!
Junosの勉強は以下の参考書で勉強を進めましょう!!


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まとめ


最後までお読み頂きましてありがとうございます。


Juniperに関する記事は以下にまとめております。
ご興味のある方は是非ご覧ください。