CCIEが改定!CCIE R&SとCCIE Enterpriseとの違い!

2020年、シスコ技術者認定の試験が大幅に改定されました。


CCIEを目指されている方は

悩んでいる人

・旧CCIEと新バージョンのCCIEの違いって何があるのか?


を気にされている方も多いのではないでしょうか?


本記事ではCisco社から公式発表されている情報に基づき、旧CCIEと新バージョンのCCIEの違いを解説していきます。
※本記事ではCCIEの認定トラックのうち、多くの方の受験が想定される「CCIE Enterprise」について紹介します。

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>>参考記事: CCIEが語る!ネットワークエンジニアにオススメな本・参考書!

旧CCIEと新バージョンのCCIEの違い


早速ですが、旧CCIEと新バージョンのCCIEの違いを紹介いたします。


大きく分けると、旧CCIEと新バージョンのCCIEの違いは以下の3点です。

▼旧CCIEと新バージョンのCCIEの違い▼

  1. CCIEの試験名称が変わる
  2. CCIEの認定に必要な科目が変わる
  3. CCIEの試験範囲が変わる



では上記①〜③についてそれぞれを解説いたします。

違い① CCIEの試験名称が変わる


1つ目はCCIEの試験名称が変わる点です。


CCIE Routing and Swithching は CCIE Enterprise に名称が変わります。
具体的な内容は以下の図をご確認下さい。

▼ 旧試験体系は以下の通り ▼

CCIE Enterprise(試験前)

▼ 新試験体系以下の通り ▼

CCIE Enterprise(試験後)



上記の通り旧CCIEは認定トラックが複数ありましたが、新CCIEではある程度集約されております。

違い② CCIEの認定に必要な科目が変わる


2つ目はCCIEの認定に必要な科目が変わる点です。


新制度ではクオリファイ試験(筆記試験)とラボ試験に合格する必要がございます。
クオリファイ試験はCisco Enterprise Network Core試験(350-401 ENCOR)という、CCNP Enterpriseと同様の試験に変更になっております。


その為、CCNP Enterpriseに合格すればCCIEラボ試験の受験資格を得られる事になります。
いきなりCCIEラボ試験にチャレンジ出来る為、CCIE受験者の負担が減るかもしれませんね。


CCIEラボ試験は試験範囲が大きく変更になりますので、次章のCCIEの試験範囲が変わるで紹介いたします。

違い③ CCIEの試験範囲が変わる


3つ目はCCIEの試験範囲が変わる点です。
では、クオリファイ試験(筆記試験)・ラボ試験別に紹介いたします。

CCIE クオリファイ試験(筆記試験)の試験範囲

前述の通り、クオリファイ試験はCisco Enterprise Network Core試験(350-401 ENCOR)です。


350-401 ENCOR試験ではルーティングプロトコルや仮想化、セキュリティ、自動化などの幅広い知識が問われます。
旧CCIE R&S Writtenと比較するとルーティング周りの難易度が下がる反面、自動化(15%)・仮想化(10%)に関する出題比率が増える為、しっかり対策を立てる必要がありそうです。


ただ、個人的な見解としては350-401 ENCOR試験はCCNP試験の試験単位の1部でもある為、相対的にはCCIE R&S Writtenよりは難易度が下がるのではないか、と考えております。


350-401 ENCORに関する試験範囲は以下の通りです。

▼ ENCORの試験範囲▼

  1. アーキテクチャ(FHRP、WLAN、SDWAN、QoS、CEF、TCAMなど)
  2. 仮想化(ハイパーバイザ、VRF、GRE、IPSec、LISP、VXLANなど)
  3. インフラストラクチャー(STP、EtherChannal、EIGRP、OSPF、BGP、Wireless、IPサービスなど)
  4. ネットワークアシュアランス(ネットワーク診断、NetFlow、SPAN、IP SLA、DNA Center、NetConfなど)
  5. セキュリティ(AAA、ACL、Wirelessセキュリティ、MACsec、802.1Xなど)
  6. 自動化(Python、JSON、YANG、DNA Center、EEMなど)



詳細は以下のCisco社の公式HPで試験範囲を確認して下さいね!
>>Cisco公式HP: 350-401 ENCORの試験範囲

CCIE ラボ試験の試験範囲

では、ラボ試験に関する試験範囲を紹介いたします。
本記事では以下の2つに分けて説明いたします。

▼CCIE ラボ試験の変更点▼

  1. ラボ試験の試験体系が変更
  2. ラボ試験の試験範囲が変更



では上記①〜②についてそれぞれを解説いたします。

①ラボ試験の試験体系が変更

実はラボ試験の試験体系が大きく変更になります。
旧ラボ試験では3つのセッション(Troubleshooting Section、Diagnostic Section、Configuration Section)別に分かれておりました。
新ラボ試験では2つセッション(モジュール1、モジュール2)に分かれるようになり、試験体系が大きく変更になります。


▼ 新試験体系以下の通り ▼

CCIE Enterprise(試験後)



モジュール1(設計)ではネットワーク設計に関する能力を評価する試験でネットワーク機器を操作するハンズオン試験ではないようです。
モジュール1(設計)はシナリオベース試験で最初に顧客要求やネットワークトポロジ図、制約事項など確認後、Webベースの試験(ドラッグアンドドロップ、単一選択、複数選択など)で回答していくようです。


今までにはない試験形式ですので、試験対策が非常に難しいかもしれないですね。
より実務に近い、顧客の要望を理解する能力や設計能力が求められる事が想定されます。


モジュール2(導入、運用、最適化)ではハンズオン試験とWebベースの試験が含まれているようです。
CCIEラボ試験の範囲には運用・最適化が含まれている為、筆者としてはモジュール2に自動化(プログラム)関連の試験タスクがある可能性があると思います。


今後はネットワークエンジニアにも一定のソフトウェアスキルが必要になる事が分かりますね・・・


また、上記の試験体系が変更になり、以下の通り合格基準も変更になっております。
▼ 新試験体系の合格基準 ▼

CCIE Enterprise(試験後)



上記の通り、モジュール1とモジュール2の合計点が合格点に達さない場合や各モジュールに設定された最低点に達さない場合には不合格になるようです。
こちらは旧ラボ試験と大幅な変更はないですね。

②ラボ試験の試験範囲が変更

ラボ試験の試験範囲も大幅に変更がございます。
CCIEラボ試験に関する試験範囲は以下の通りです。

▼ CCIEラボの試験範囲▼

  1. ネットワークインフラストラクチャ(Switching、EIGRP、OSPF、BGP、マルチキャストなど)
  2. ソフトウェア定義型インフラストラクチャ(SD-Access、SD-WAN、Cisco DNA Centerなど)
  3. トランスポートテクノロジーおよびソリューション(MPLS、DMVPNなど)
  4. インフラストラクチャセキュリティおよびサービス(セキュリティ、システム管理、NWサービス、QoSなど)
  5. インフラストラクチャの自動化およびプログラマビリティ(Python、JSON、YANG、gRPCなど)



上記の通り、ソフトウェアに関する範囲が大幅に増えている事が分かると思います。
特にSD-Access・SD-WAN・各プログラム(Python等)は業務での経験がないと、勉強が難しい事が想定されます。
筆者観点としては、CCIEラボ試験のレベルが少し上がった可能性があると考えております。


試験範囲の詳細は以下のCisco社の公式HPで試験範囲を確認して下さいね!
>>Cisco公式HP: CCIE Enterprise Infrastructure(v1.0)ラボ試験の内容

まとめ

最後までお読み頂きましてありがとうございます。

CCIEラボ試験はソフトウェアに関する知識が必要になった為、今まで以上に難易度が上がった事が想定されます。

これから受験される方は情報収集をした上で、受験を考えてみてはいかがでしょうか?

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