RSTPの基本から設定方法を解説

本記事ではラピッドスパニングツリープロトコル(RSTP)の基本動作・設定コマンド・STPとの違いについて解説いたします。

▼ STPを復習されたい方へ ▼

>>参考記事: スパニングツリー(STP)の基本・設定方法を解説
>>参考記事: スパニングツリーの状態遷移とタイマーを解説

ラピッドスパニングツリープロトコルとは

ラピッドスパニングツリープロトコル(Rapid Spanning Tree Protocol : RSTP)はSTPと同様、ブロードキャストストームの発生を防止するL2技術です。
RSTPを実装する事により、STPの最大の欠点である最大50秒の通信断時間を数秒に短縮する事が可能です。


※RSTPではSTPと異なり「BPDUv2(BPDUの機能拡張版)」を使用しております。

【補足】BPDUv2の拡張ポイント

BPDUv2では「プロポーザルBPDU」と「アグリーメントBPDU」を使用し、高速切り替えを実装しております。

では具体的なRSTPの動作について解説いたします。

STPとRSTPの動作違いについて

ではSTPとRSTPの動作の違いについて解説いたします。
※細かい違いは多々ございますので本記事ではその中でも理解しておいた方がよい、代表的な違いをご紹介させていただきます。


▼STPとRSTPとの違いはコチラ!▼

  1. 代替ポート・バックアップポートの選出
  2. プロポーザルBPDU・アグリーメントBPDUでのポート選出
  3. 間接障害時の高速切り替え
  4. RSTPの状態遷移

ポイント
CCNA,CCNPレベル・案件担当レベルでは以下の違いを認識しておけば問題ございません!

では、STPと大きな違い①〜④の詳細について解説いたします。

①代替ポート・バックアップポートの選出

STPではブロッキングポートの選出を実施しますが、RSTPではブロッキングポートではなく代わりに「代替ポート」「バックアップポート」の選出を実施します。
※STPで利用していたブロッキングポートとは違いは障害時に継承するポート種別が確定します。
具体的には以下の通りです。

▼代替ポート・バックアップポートの詳細はコチラ!▼

  • 代替ポート(Alternate Port : AP)

    代替ポートはルートポートの障害時に利用するバックアップ用のポートです。

  • バックアップポート(Backup Port : BP)

    バックアップポートは指定ポートの障害時に利用するバックアップとなるポートです。



RSTPのポート構成

②プロポーザルBPDU・アグリーメントBPDUでのポート選出

RSTPではBPDUv2(プロポーザルBPDU・アグリーメントBPDU)にて対向側のスイッチと直接やりとりを実施し、各ポートの選出や障害時の高速切り替えを実装しております。

【補足】プロポーザルBPDU・アグリーメントBPDUの挙動

各L2機器でプロポーザルBPDUを送信し合い、対向機器のRSTPの設定値(ブリッジプライオリティ・パスコスト等)を確認し、優先度の低いSW(指定ポートにならないSW)がアグリーメントBPDU送信する事により、各ポートの選出を実装しております。

③間接障害時の高速切り替え

STP環境では間接障害時の通信断時間が最大50秒かかっておりましたが、RSTPではプロポーザルBPDUとアグリーメントBPDUを使用する事により、数秒での切り替えを実現しております。
詳細は以下の図の通りです。

STP-障害
RSTP-障害

④RSTPの状態遷移

STPでは「ブロッキング→リスニング→ランニング→フォワーディング」の順で遷移しますが、RSTPでは「ディスカーディング→ランニング→フォワーディング」の順に遷移します。

RSTP-状態遷移

各ポート遷移の詳細は以下の通りです。

ポート遷移① ポートディスカーディング

ディスカーディング(Discarding)状態とはMACアドレスの学習は不可・ユーザ通信の転送は不可・BPDUの受信は可能なポートステータスの事です。

※電源投入時はブロッキング状態になります。

ポート遷移② ランニング

ランニング(Learning)状態とはMACアドレスの学習は可能・ユーザ通信の転送は不可・BPDUの送受信が可能なポートステータスの事です。

※ランニング状態ではMACアドレスの学習を実施し、データ通信が可能になるように準備している状態です

ポート遷移③ フォワーディング

フォワーディング(Forwarding)状態とはMACアドレスの学習は可能・ユーザ通信の転送は可能・BPDUの送受信が可能なポートステータスの事です。

※フォワーディング状態になるとユーザ通信が可能になります。

設定方法

RSTPの設定方法は以下の通りです。

RSTPの有効化・無効化設定

・全VLANのRSTP有効化

【設定コマンド】
 SW(config)# spanning-tree mode rapid-pvst

▼ オススメの記事 ▼

>>参考記事: RSTPの設定変更・正常性確認方法【動作検証】

・全VLANのRSTP無効化

【設定コマンド】
 SW(config)# no spanning-tree mode rapid-pvst

・特定VLANのRSTP有効化

【設定コマンド】
 SW(config)# spanning-tree vlan [vlan番号]
※VLAN5を有効化を場合
 SW(config)# spanning-tree vlan 5

・特定VLANのRSTP無効化

【設定コマンド】
 SW(config)# no spanning-tree vlan [vlan番号]
※VLAN5を無効化を場合
 SW(config)# no spanning-tree vlan 5

ブリッジプライオリティの設定

【設定コマンド】
 SW(config)# spanning-tree vlan [vlan番号] priority [ブリッジプライオリティ]
※VLAN5のブリッジプライオリティを0にする場合
 SW(config)# spanning-tree vlan 5 priority 0

パスコストの設定

【設定コマンド】
 SW(config)# interface [インターフェース名&番号]
 SW(config-if)# spanning-tree vlan [vlan番号] cost [コスト値]
※VLAN5のコスト値を0にする場合
 SW(config)# interface gigabitethernet1/0/1
 SW(config-if)# spanning-tree vlan 5 priority 1

ポートプライオリティの設定

【設定コマンド】
 SW(config)# interface [インターフェース名&番号]
 SW(config-if)# spanning-tree vlan [vlan番号] port-priority [ポートプライオリティ値]
※VLAN5のポートプライオリティ値を1にする場合
 SW(config)# interface gigabitethernet1/0/1
 SW(config-if)# spanning-tree vlan 5 port-priority 1

まとめ

最後までお読み頂きましてありがとうございます。

RSTPについて以下の点は理解しておきましょう!

▼RSTPの基本はコチラ!▼

  • RSTPは障害時の通信時間を数秒で切り替える事ができる(STPの改良版)
  • RSTPはBPDUv2を用いてブロードキャストストームの発生を防止する
  • STPでは3つのポート種別(ルートポート・指定ポート・代替ポート・バックアップポート)がある
  • RSTPのポートは「ディスカーディング→ランニング→フォワーディング」の順に遷移する