LSA Type 5とは? 基礎〜LSDBの確認方法を解説【OSPF】

本記事ではLSA Type5(AS外部リンク)の内容やリンクステートデータベースの確認方法について、検証結果を交えながら解説いたします。

既にLSA Type5に関する知識がある方は、本記事内の「LSA Type 5の検証結果」からご覧頂く事を推奨します。

LSA Type5(AS外部リンク)とは

AS外部リンク(AS External LSA : LSA Type5)」は非OSPFのネットワーク情報(ネットワークアドレス・サブネットマスク・メトリックタイプ・コスト値など)を伝搬させる際に使用されます。

「LSA Type5」はASBR(AS Border Router)で生成され、スタブエリア・トータリースタブエリア・NSSAを除く全エリアへ伝搬します。


LSA Type5に関するshowコマンド
CiscoルータにおけるLSA Type5に関するshowコマンドは以下の通りです。

  • show ip ospf database」:リンクステートデータベースの一覧を確認
  • show ip ospf database external」:リンクステートデータベースのLSA Type5の詳細を確認
  • show ip route ospf」:OSPFのルーティングテーブルを確認する
    【補足】LSA Type5で学習した経路は以下の通り「 O E1 」(非OSPF経路:コスト加算型)または、「 O E2 」(非OSPF経路:非コスト加算型)として学習します。
    E1・E2に詳しい知りたい方は、別記事の「E1・E2の違い」をご確認下さい。

LSA Type 5でやりとりされる内容(show ip ospf database externalを解説)

次に実機から取得したLSA Type 5のリンクステートデータベースを確認しながら、LSA Type 5でやりとりされる内容を紹介いたします。


以下は「show ip ospf database external」コマンドで非OSPF経路「100.100.100.100」の情報を取得しております。
LSA Type 5の各パラメータについてコメント文(黄色文字箇所)で解説しておりますので、気になる点をご確認下さい。

▼ OSPFデータベース情報(Type5) ▼


※本記事の下部「LSA Type 5の検証結果」にてLSA Type5に関する検証結果を纏めておりますので、合わせてご確認頂くことをお勧めします。

LSA Type5の理解度が格段と上がると思います!

LSA Type 5の伝搬範囲

次に以下のネットワーク図をベースにLSA Type5の伝搬について解説いたします。

OSPF-TypeLSA5

上記の図の通り、ASBR(R5)にて非OSPFネットワークの経路をOSPFネットワークへ再配布いたします。


R5では非OSPFネットワークの経路情報をLSA Type5にて全OSPFルータへ伝搬させる事により、全OSPFルータが非OSPFネットワークの経路情報を把握する事が出来ます。


LSA Type 5の検証結果

ではLSA Type 5に関する検証結果を紹介いたします。
検証ネットワーク上での実機のステータス内容を把握して頂くと、LSA Type 5の理解度が向上します!

検証時の確認ポイント

まず最初に、検証時の確認ポイントを整理しておきます。

▼ 本検証の確認ポイント ▼

  1. R5(ASBR)でのLSA Type5の生成・LSA内容把握
  2. LSA Type5の伝搬範囲

検証ネットワーク

では次に検証ネットワークを紹介いたします。

LSA検証ネットワーク

※本検証ネットワークは既に設定済みです。

【参考】検証ネットワーク情報 ※興味ない方は飛ばしてOKです。

本検証ネットワークのOSPFステータスを以下に纏めております。
興味のある方はご覧下さい。

・「show ip ospf interface brief」コマンドで各OSPFインターフェース情報を出力しております。

・「show ip ospf neighbor」コマンドでネイバー状態を出力しております。
以下の通り、全ルータ間でOSPFネイバーが確立出来ている事が確認できると思います。

正常性確認

では以下の2点について確認してみましょう!

▼ 本検証の確認ポイント ▼

  1. R5(ASBR)でのLSA Type5の生成・LSA内容把握
  2. LSA Type5の伝搬範囲

【確認ポイント①】R5(ASBR)でのLSA Type5の生成・LSA内容把握

まずは以下にてR5のOSPFデータベース「show ip ospf database」「show ip ospf database external 100.100.100.100」を出力しております。



▼ R5のOSPFデータベース情報 ▼

▼ R5のOSPFデータベース情報(type5) ▼


showコマンドの出力結果の通り、
R5(ASBR)にて非OSPF経路(100.100.100.100/32)のLSA-Type 5を生成している事が分かります。

【確認ポイント②】LSA Type5の伝搬範囲

ではR5(ASBR)で生成したLSA Type5がR3→R1→R2→R4に伝搬されるか、確認いたします。


以下の通り、「show ip ospf database」の結果より、R1・R2・R4でLSA Type4を受信している事が確認出来ます。

▼ R1のOSPFデータベース情報 ▼

▼ R2のOSPFデータベース情報 ▼

▼ R3のOSPFデータベース情報 ▼

▼ R4のOSPFデータベース情報 ▼


上記の結果の通り、R1・R2・R3・R4でLSA Type5(R5 100.100.100.100)を受信している事が分かります。
次に「show ip route | include O E」にて非OSPF経路(100.100.100.100)がルーティングテーブルへ反映されている事を確認します。



▼ R1のOSPFデータベース情報 ▼

▼ R2のOSPFデータベース情報 ▼

▼ R3のOSPFデータベース情報 ▼

▼ R4のOSPFデータベース情報 ▼


上記の結果の通り、R1・R2・R3・R4で非OSPF経路(100.100.100.100)がルーティングテーブルへ反映されている事が分かります。

【補足】メトリックタイプ 2 (E2 : 非コスト加算型)について

本検証ネットワークのR5(ASBR)では非OSPFネットワークの経路をOSPFへ再配布する際、コスト非加算型(メトリックタイプ2)で設定しております。



▼ R5(ASBR)の設定情報 ▼


その為、R1・R2・R3・R4で非OSPF経路(100.100.100.100)を受信しても、メトリック加算は実施されません。
「show ip ospf database external」のMetric値の値をそのままルーティングテーブルへ反映します。

▼ メトリックタイプ 2のコスト計算 ▼
OSPF-Metric-type2

▼ メトリックタイプ 1・2に関してご興味がある方はこちら! ▼

*現在作成中

まとめ

いかがでしたでしょうか?

LSA Type5は非常に分かりにくい部分もありますが、理解しておくとトラブルシューティング時に役立ちます。ぜひ覚えておきましょう!


興味のある方は合わせて読んでみてください!