本記事ではHSRPのインターフェーストラッキングの必要性・基本動作・設定方法について解説いたします。
本記事はHSRPを理解されている前提の記事になっておりますので、HSRPに関して復習されたい人は以下の記事をご確認下さい。
HSRPの基本から動作仕様・設定コマンド等を図解し分かりやすく解説しております。初心者の方にも分かるように纏めておりますでCCNAを目指している方はぜひご覧下さい!
HSRPのインターフェーストラッキングの必要性
HSRPのインターフェーストラッキングの必要性について解説いたします。
HSRPではアクティブルータ側でHSRPが有効化されていないインターフェース(例えば、WAN側のインターフェース)に障害が発生した場合、以下のような問題が発生します。
※HSRPの切り替わりが発生しない理由としては、R1のLANインターフェース(HSRPが有効化されているインターフェース)は正常に動作しており、R2とのHelloのやりとりも問題なく可能である為「HSRPとしては問題なく動作している為」です。
上記のような問題に対応する為に、HSRPでは「インターフェーストラッキング」機能がございます。
HSRPのインターフェーストラッキングを有効化する事により、監視対象(トラッキング対象)のインターフェースに障害が発生した場合にHSRPのプライオリティ値を下げる事が可能です。
HSRPのインターフェーストラッキングの設定方法
HSRPのインターフェーストラッキングは以下の順序で設定する必要がございます。
- 監視対象(トラッキング対象)のインターフェースを指定
- HSRPトラッキングの有効化
では、以下にて設定コマンドを紹介します。
①監視対象(トラッキング対象)のインターフェースを指定
Router(config)# track [オブジェクト番号] interface [インターフェース名&番号] line-protocol
※例:thernet0/1を監視したい場合
Router(config-if)# track 1 interface Ethernet0/1 line-protocol
②HSRPトラッキングの有効化
Router(config)# interface [インターフェース名&番号]
Router(config-if)# standby [HSRPグループ番号] track [オブジェクト番号] decrement [プライオリティ値を下げる値]
※例:HSRPのプライオリティ値を「20」小さくしたい場合
Router(config-if)# standby 10 track 1 decrement 20
以下の記事にてHSRPのインターフェーストラッキングに関する動作検証の結果を纏めております。ご興味のある方はぜひご覧ください。
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まとめ
いかがでしたでしょうか?
HSRPのインターフェーストラッキングについて以下の点は理解しておきましょう!
- HSRPのインターフェーストラッキングを利用する事により、特定のインターフェースがDownした際にプライオリティ値を下げる事が可能