ネットワーク案件において提案・要件定義フェーズに検討漏れが発生すると、後工程へ影響が発生してしまう為、最重要工程の1つです。
本記事ではネットワーク案件の提案・要件定義フェーズでの重要な検討項目をご紹介させて頂きます。
ネットワークの提案・要件定義 重要なポイントとは?
重要なポイントは複数ございますが、
本記事では最低限おさえるべき以下9点についてご紹介いたします。
- お客様の要件を理解しているか?
- 案件スケジュールが同意出来ているか?
- 提案スコープ・役割分担が同意出来ているか?
- 検収条件・成果物が同意出来ているか?
- 見積費用・条件が同意出来ているか?
- 競合他社の情報を把握しているか?
- リスクに対する対応策が明確になっているか?
- 法規・ガイドラインに準拠出来ているか?
- 各種エビデンスが残っているか?
それでは、1つずつみていきましょう!!
ポイント① お客様の要件を理解しているか?
提案フェーズではお客様の要件(お客様が現在抱えている課題は何か)を明確にし、要件に合致した提案になっている事が非常に重要です。
また、お客様はITの専門家ではない(必要な要件を全て言語化・文章化出来ていない)可能性もございますので、ITのプロである私たちがしっかりお客様が現在抱えている課題の背景や原因を理解し、お客様のご要望なITインフラを提案する事を心がけましょう!
詳細の確認ポイントを以下に明記しましたので、参考にしてください!
- お客様の既存ITインフラ環境(インフラ構成・保守運用体制・提供ベンダー)を把握する
- 既存ITインフラ環境の課題を把握する
- お客様の要件を把握する(ITインフラの構成要件は勿論ですが、保守要件含む)
- お客様の要件の対応策を提案する(漏れが発生しないようにQA形式で纏める事が推奨。要件達成が出来ない場合は代替案を提案する)
導入機器・ネットワーク回線種別の選定基準(お客様の要件に合致している根拠)を明確にしお客様と同意しましょう。導入機器・ネットワーク回線種別は見積費用にも直結する為、必ず認識相違がないようにする事が重要です。
ポイント② 案件スケジュールが同意出来ているか?
提案フェーズの段階で案件スケジュール(プロジェクトの開始〜終了の日時)は必ずお客様・協力会社と同意しましょう。
詳細の確認ポイントを以下に明記しましたので、参考にしてください!
- プロジェクトの開始日時を同意する
- プロジェクトの終了日時を同意する(その終了日がMustかも把握する)
- ITインフラの移行可能期間を把握する(お客様の繁忙期や移行不可期間を把握する)
ポイント③ 提案スコープ・役割分担が同意出来ているか?
提案フェーズのプロジェクトの対応範囲(スコープ)と役割分担をお客様・協力会社と同意しましょう。
詳細の確認ポイントを以下に明記しましたので、参考にしてください!
- プロジェクト対応範囲(システム名,ノード)を定義し同意する
- 各工程(基本設計,詳細設計,構築,テスト,移行,保守運用)のタスクを把握する
- 各タスクの役割分担を同意する(特にお客様へ対応頂くタスクは明確にしておく事)
ポイント④ 検収条件・成果物が同意出来ているか?
検収条件(プロジェクトの完了条件)をお客様と同意しておきましょう。
一般的な案件では成果物(ITインフラ自体・設計書資料の納品)が検収条件になる事が多く、成果物に設計書が含まれている場合は対象の設計書・指定フォーマットの有無・粒度などをお客様に確認しておきましょう!
詳細の確認ポイントを以下に明記しましたので、参考にしてください!
- 検収種別(一括検収 or 部分検収)を確認する
- 検収条件(成果物)を同意する
- 成果物の内容・提示時期・粒度を同意する
ポイント⑤ 見積費用・条件が同意出来ているか?
見積費用・見積条件は受注後に変更する事は非常に困難です。その為、お客様への同意も重要ですが自社・協力会社と必ず同意しておきましょう。
詳細の確認ポイントを以下に明記しましたので、参考にしてください!
- 見積費用・条件をお客様・協力会社と同意する
- 保守費用(ランニングコスト)は課金時期をお客様・協力会社と同意する
- 契約体系(例 委託契約・準委任契約等)をお客様・協力会社と同意する
- 自社の収支上問題ないか確認する(社内ルールに従い、社内レビューや決裁を取得)
- 工数の見積が妥当か確認する(社内ルールに従い、社内レビューや決裁を取得)
- リスク費が妥当か確認する(案件規模・リスク度合いに応じて)
- 見積条件に漏れがないか確認する
ポイント⑥ 競合他社の情報を把握しているか?
お客様が複数のベンダーへ提案を依頼している場合、コンペになる可能性が高いです。
その場合、競合他社の情報(会社名・提案内容などの情報)を入手する事が提案を有利に進める上で非常に重要です。
詳細の確認ポイントを以下に明記しましたので、参考にしてください!
- お客様は複数のベンダーへ提案依頼をしているか確認する
- 競合他社の提案情報(会社名・提案内容・強み/弱み・費用)を情報収集する
- 競合他社とお客様との関係性(リレーション)を把握する
- 自社の優位性があるか、優位性ある場合お客様に認識してもらう
ポイント⑦ リスクに対する対応策が明確になっているか?
案件を受注する前に想定されるリスクを洗い出し、予め対応策を検討しておきましょう!
詳細の確認ポイントを以下に明記しましたので、参考にしてください!
- 想定されるリスクを洗い出し対応案を策定しておく(リスクが高い場合は社内の決裁者へ相談。場合により辞退する戦略もあり)
- 過去同様なプロジェクトの実績がある確認する
ポイント⑧ 法規・ガイドラインに準拠出来ているか?
プロジェクトの内容次第ですが、各種法規やガイドライン(個人情報保護法・建設業法・ISMS・PCIDSS等)に準拠しているか確認しましょう!
システム開発案件の場合は、ソフトウェアの権利がどの会社に帰属するか明確にしましょう!
ポイント⑨ 各種エビデンスが残っているか?
提案フェーズや試験フェーズ等の後工程で「言った、言ってない論争」にならないように、打合せ・電話で確定した事柄は両者が同意したエビデンスを残しておきましょう!
まとめ
最後までお読み頂きましてありがとうございます。
提案フェーズに検討漏れが発生すると後工程へ影響が発生してしまう為、最重要工程の1つです。
お客様との認識相違が発生しないように精度の高い提案を心がけましょう!